大会紹介に先んじて、今回大会で導入されていた制度をひとつご説明します。
「招待選手」です。
その内容は読んで字の如く、東北外から知名度の高いプレイヤーを招聘して企画を盛り上げるとともに、他地域にもはねまんCSの良さを知ってもらおうというもの。
招待選手の一人目は、「遊戯王の担い手」Tetsuさん。
毎年末に福岡県で開催される「Tetsu Champion Ship」の主催であり、九州遊戯王情報サイト「━━━━体は札で出来ている。」管理者、昨今では「Tetsu/yugioh channel」パーソナリティーと、幅広いフィールドで活躍を見せる方です。
そして、なんと二人目の招待選手として、Fordを招待して頂きました。
距離の近い立場で密着取材を行えた今回、はねまんCSの模様を余すところなくお送りします!
7:003月下旬と言えども東北の朝。そこかしこに降雪の跡が見られ、寒さが残ります。
スタッフの方々は6時には起床し、着替えや最終確認を行っていました。
全員総出で荷物を積み込み、会場に向けて出発します!
この撮影用パネルは、会場に設けられ参加者が自由に利用できるものです。
豊富な企画ゆえにこういった備品が多く、荷物は乗用車5台に分ける必要があったほど!
傷つけないよう、慎重に運びます……。
9:00開催場所である、天童市市民プラザ「パルテ」にスタッフ一同が到着しました。
第1回大会から利用し続けている由緒正しい?施設で、特徴は天童駅に直結している所。
雪の残る時期であっても濡れずに会場まで辿り着くことができ、荷物の多い遠征プレイヤーにも優しい作りです。
参加者の方々に手を貸して頂きつつ、まずは机や椅子を並べて設営します。
大量に運び込まれた段ボール箱の中身は……?
9:30一通り設営が終わり、参加受付が開始されました。
受付開始とともに長蛇の列が!
スタッフの到着よりも前から、開場を今か今かと待ち望んでいるプレイヤーの姿が多数見受けられました。
山形を除く東北5県、そして更に遠方からの参加者といった、遠征組の多さは本大会の特徴です。
受付で配られる参加賞は、はねまんとガッチャのロゴがデザインされたトークンカード。
更に、場内の物販スペースで使える1000円分の商品券も兼ねています。
参加費1000円でこれは得した気分!
商品券とともに渡される大会用スコアシートには、両面にルール説明が記されており、簡易ルールブックとしても機能します。
はねまんCSが非公認大会初参加となる方も多いことを踏まえ、未経験者にも優しい仕様です。
10:00受付の列もひとまず落ち着き、開戦が刻一刻と迫ります。
デッキシートを提出した参加者は、遠方から来た知人との会話を楽しんでいました。
まだまだ大規模非公認が少ない東北では貴重な交流の機会です。
一方で、スタッフ陣は試合前の最終確認に余念がありません。
打ち合わせの様子を隠し撮り!
本大会のスタッフ陣は、総勢で10名ほど。
うち半数は物販を含めた本戦外企画を行い、残りの5名がジャッジとしてプレイヤーに接するメインスタッフとなります。
今回のメインスタッフ5名をご紹介します。
・イシゴーさん
本大会の主催者であり、ヘッドジャッジを務めた方。
企画内容やスタッフ集めなど、本大会の大枠はイシゴーさんの発案によるものです。
プレイヤーとして「第五回TetsuChampionShip」での入賞歴もお持ちです。
・ズンさん
はねまんスタッフですが、それ以外でお名前を聞き知っている方もいるかも知れません。
実は、北海道で開催された「全道大会2008」の主催者です。
・イソノさん
イシゴーさんやkaizanさんがよく遊びに行く公認店の店員さんです。
はねまんとは深い関わりのない店舗の方ですが、だからこそ山形県を挙げての運営体制と言えます。
・kaizanさん
昨年、イシゴーさんと共にTCS5に遠征した地元プレイヤー。
その運営体制に触発され、地元店舗に頼み込んでジャッジ経験を積み、今回のはねまんCSで初のスタッフ参加となりました。
スタッフのスーツ着用、会場構成など、TCSから取り入れた部分が多いのも本大会の特徴です。
・プレデターさん
Kaizanさんと同じ地元のプレイヤーです。
特にルール面の詳しさを買われ、はねまんCSスタッフ陣に加わることになりました。
10:30いよいよ試合開始……の前に、開会式が始まります。
まずは主催のイシゴーさんから、改めて大会ルールの確認です。
遅延行為や引き分けを防止するための細かな独自ルールを設けた分、大会ホームページ・スコアシート・開会式と、念入りに周知が行われていました。
開会式の最後には、Tetsu&Fordの掛け合い挨拶を行わせて頂きました。
締めは勿論、Tetsuさんお馴染みの「―――ついて来れるか。」の一言で!
お馴染みとは言いつつも、東北の皆さんに分かってもらえるかどうか戦々恐々でしたが、最後は大きな拍手を頂くことができました。
10:50――そして、激戦が幕を開けます!
海外版カードを専門に扱う「はねまん」らしく、はねまんCSでは海外先行発売カードの使用が許可されています。
当初は日本環境と変わらないデッキを持ち込む方が多かったのですが、海外カード採用率は年々高まっているようです。
はねまんCSに向けたデッキ構築・調整を行うプレイヤー数の増加は、本大会が大きな目標とされている証明でもあるのでしょう。
入賞賞品の一部は場内に展示され、参加者の士気を高めます!
13:00あっという間に2回戦まで終わり、お昼休みの時間になりました。
そろそろ小腹も空いてくる頃。という事で、物販ブースを覗いてみましょう。
まずは軽食や飲み物の販売コーナー。
大規模イベントはスケジュール進行が不安定になりがちなため、会場を出なくてもエネルギー補給できるのは便利です。
小腹を満たしつつ、隣のコーナーも見て回ると……
カード販売スペースには、各種海外版のパックやストラクチャーデッキ、プレイマットまで取り揃えられていました。
最も人気を博していたのは、海外版カードのファイリング販売。中でもヨーロッパ版は綺麗なイラスト印刷を好むプレイヤーが多いのだとか。
こちらは「ドッグタグくじ」というコーナー。
海外で販売されているドッグタグをくじに見立て、ハズレでも米版のカードやパック、当たりを引けば更にカードや商品券が貰えるという、お祭り気分の企画です!
公式のキャラクター物からUltraProまで、種々のスリーブを販売するコーナーも。
スリーブについては、不正を防ぐために「傷や汚れの少ないものが望ましい」という規定を設ける大会が少なくありません。
試合中に裂けたり傷付いてしまうことも多いため、すぐに買って交換できることには安心感があります。
今回はTetsuさんから特別に、TCS5オリジナルスリーブも販売品として持ち込まれていました。
一度に10万円を越える購入者も!
過去には、50万円以上のお買い上げをされたお客様もいたとか……!?
16:00予選4回戦が全て終了し、決勝トーナメント進出者16名が発表されました。
出場者が本選に備えて一休みしている間にも、スタッフの皆さんは卓の並び替えを行います。
決勝トーナメントスペースは他と隔てられており、落ち着いてデュエルに臨める構成です。
観戦者にも観戦席が用意され、一歩離れた所から試合を眺めることが可能です。
準決勝・決勝の模様や入賞者情報は、
こちらからどうぞ!
また、決勝と並行して2種類のサブイベントが行われていました。
・ミニトーナメント4人1組のトーナメントで、有料・無料の賞品が異なる2種類が開催されました。
人気を博し、合わせて50回近く行うことができたそうです!
・Tetsu&Fordチャレンジ招待選手との交流を兼ねた、完全無料の突発企画。
TetsuかFordのどちらかに挑戦し、勝利すれば米版1パックをゲット。
更にジャンケンを行い、連勝数に応じた米版カードを獲得できます。
1勝で《発条機甲ゼンマイスター》、2連勝で《No.17 リバイス・ドラゴン》、3連勝なら《強欲で謙虚な壺》が!
こちらも4時間近い開催期間中、列が途切れることもなく、多くの方と雑談を交えつつ対戦させて頂きました。
20:00突如起こった拍手の音が、決勝戦の終わりを知らせました。
同時にサブイベントも終了となり、長かった大会もこれで閉幕です。
今回のチャンピオンに輝いたのは、福島県の「わ」さん。
はねまんCSの常連プレイヤーで、東北外のプレイヤーが席巻した2009年度大会にも参加していたそうです。
リベンジに燃えていた彼は、開催のたびに「今回は優勝します!」と言い続けてきたんです……と、イシゴーさんが感慨深げに語っていました。
21:00最後に残っているのが撤収作業。
会場は公共施設であり、他のイベントの信用を傷つけないためにも、利用時間内に手早く撤収を行わなければなりません。
打ち上げを頭に描きつつ、スタッフが最後の力を振り絞ります。
また参加者の方に手伝って頂き、なんとか今回も片付けを終えることができました。
当日だけで14時間、事前準備も含めれば数ヶ月に渡るCS運営。
終わってしまえば一瞬ですが、だからこそ積み重ねられた努力は輝きます。
「せっかくの企業運営だから出来る『+アルファ』が欲しいという思いもあり、良いと思えるアイディアは極力実現するようにしました。」
と、主催のイシゴーさんは語ります。
「物販でカード以外にもジュースが売っていたら親切なのでは?」
「記念撮影パネルがあったら面白いのでは?」
そういった案を、はねまんCSは実現してきました。
努力にあたっての苦楽は、個人も企業も変わるものではありません。
「企業運営だから出来る企画」を支えているのは、多くの参加者に楽しんで頂きたいというスタッフの思いと努力です。
その運営姿勢こそ、多くの大会が参考にすべきものであると感じました。
入賞者には、賞状やトロフィーといった記念品も共に贈られます。
また、本大会を通して、参加者からは「○○勢」という言葉をよく耳にしました。
地区ごとにカラーが認められており、例えば山形勢には古参のビートダウンデッキ使いが多く、青森勢には強豪プレイヤーが多いのだそうです。
プレイヤーとしてのイメージはともかく、この言葉は、自分自身の行動が地域のイメージに直結すると分かっている故のものだと感じました。
まさにFordとTetsuさんが抱いていたのが、会場での態度が関東・九州それぞれの象徴になるという気持ちです。
ユーザー大会を通じて東北各県の交流が進み始めたのはここ最近の事であり、今後は衝突や軋轢も出てくるかもしれません。
それでも「一人ひとりが地域の顔である」という意識を忘れずにいてくれれば、大会の雰囲気やマナーの良さは保たれることでしょう。
東北の諸大会に参加する皆さんが、楽しい思い出を持ち帰れることを願っています!
最後に−はねまんCS主催・イシゴーさんからおかげ様で好評を頂きました「はねまんCS2012春」
次回「はねまんCS2012秋(仮)」は9月29日(土)の開催を予定しています。
参加人数上限も増やし、チーム戦での開催を企画しています。
この機会に遠方の方もゼヒいかがでしょうか?
会場は駅に隣接していますので、アクセスも抜群です。
CSに興味はあるけど関東は遠いよ、という東北お住まいの方もお待ちしております。
ガチな環境に挑戦したい『Duel Entrance』読者の皆様はモチロン、
普段ショップの公認大会にしか出ないよ、というカジュアルな貴方にもオススメです。
物販やサブイベントも充実!
そんな楽しいイベントにしたいと思っていますので、お楽しみに!
※参加予約は8月中旬「はねまん」サイトより受付予定しています。
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