環境考察−六武衆(2011年度選考会)

01．六武衆
昨年末から環境を席捲してきた「六武衆」デッキは今期のメタゲームにおいても中心に存在する強力なデッキタイプでした。
国内最終予選においても、最も多くの参加者にシェアされています。
このデッキは、《真六武衆−シエン》を出す事で相手の行動を一気に阻害する高い制圧力を誇り、対戦する相手にとっては対処に頭を悩ませる非常に攻撃的なデッキです。
制限改訂によって《六武の門》が減ってしまったものの、その抜けた穴を埋めるかのように、追加の《六武衆の露払い》や、強力な各種罠への対策として評価が見直された《六武衆−ヤイチ》を採用する事で「六武衆」は前以上に汎用性が増し、相手のデッキタイプに左右されにくい強固なデッキに変貌を遂げました。また、新システムである「エクシーズ」の恩恵を受けシンクロ以外のギミックを手に入れた事も追い風であると言えます。

使用者：光さん(静岡県)

モンスター(14枚)
六武衆−ヤイチ
六武衆の露払い×2枚
六武衆の師範×2枚
六武衆の影武者×3枚
真六武衆−キザン×3枚
真六武衆−カゲキ×3枚

魔法(12枚)
六武衆の結束×3枚
六武の門
増援
紫炎の狼煙×3枚
死者蘇生
月の書
サイクロン×2枚

罠(14枚)
六尺瓊勾玉
奈落の落とし穴×2枚
神の宣告
神の警告×2枚
諸刃の活人剣術×3枚
砂塵の大竜巻×2枚
激流葬
王宮の弾圧
ダスト・シュート

エクストラデッキ
Ａ・Ｏ・Ｊ　カタストル
Ａ・Ｏ・Ｊ　ディサイシブ・アームズ
Ｎｏ．１７　リバイス・ドラゴン
Ｎｏ．３９　希望皇ホープ
インヴェルズ・ローチ
スクラップ・ドラゴン
ナチュル・パルキオン
ナチュル・ランドオルス
ブラック・ローズ・ドラゴン
フレムベル・ウルキサス
虚空海竜リヴァイエール
真六武衆−シエン×2枚
氷結界の龍　トリシューラ
氷結界の龍　ブリューナク

サイドデッキ
ドッペルゲンガー
パペット・プラント×3枚
フォッシル・ダイナ　パキケファロ×2枚
透破抜き×2枚
砂塵の大竜巻
次元の裂け目×3枚
次元幽閉×2枚
冥府の使者ゴーズ

環境考察−代行天使(2011年度選考会)

02．代行天使
「六武衆」と同じく前環境から存在していたデッキタイプが、この「代行天使」です。
相手の大量展開を阻害し、破壊効果を無に帰す《大天使クリスティア》。こちらの妨害を回避し展開を許してしまった相手のカードを奪っていく《マスター・ヒュペリオン》。
これらの双璧は非常に強力で、「六武衆」同等の制圧力を誇るデッキでした。
今期の「代行天使」が「六武衆」と異なるのは、新カードによって新たな勝ち筋や弱点の補強など、多くの収穫があった事です。
これまでは《氷結界の龍 トリシューラ》を出すためだけの餌でしかなかった《神聖なる球体》がそれぞれ同レベルという事から「エクシーズ」を採用しやすく、守りの《ガチガチガンテツ》か攻めの《ダイガスタ・フェニクス》という二つの選択肢を手に入れた事でより攻防一体の動きを目指す事が可能なデッキへと変貌を遂げました。
しかし、天使には次のような課題が残されていました。
�@《神聖なる球体》という、素引きしてしまうと対処に困るカードがメインデッキから入っている事。
�A墓地に天使がいなければ円滑に《大天使クリスティア》を出す事も《マスター・ヒュペリオン》の除去テキストを使う事も出来ない点。
�B《Ａ・ジェネクス・バードマン》を採用するか否か、といったように「選択肢が多すぎてテンプレートを確立するほど煮詰める事ができなかった」事。
これらの課題を解消できなかった事が、「代行天使」の敗因として挙げられます。

使用者：ミコさん(大阪府)

モンスター(19枚)
大天使クリスティア×2枚
創造の代行者　ヴィーナス×3枚
神秘の代行者　アース×3枚
神聖なる球体（ホーリーシャイン・ボール）×3枚
朱光の宣告者（バーミリオン・デクレアラー）×3枚
マスター・ヒュペリオン×3枚
クリッター
オネスト

魔法(11枚)
天空の宝札×2枚
死者蘇生
月の書
強欲で謙虚な壺×3枚
ブラック・ホール
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(10枚)
奈落の落とし穴×2枚
盗賊の七つ道具
神の宣告
神の警告×2枚
砂塵の大竜巻×2枚
激流葬
ダスト・シュート

エクストラデッキ
Ａ・Ｏ・Ｊ　カタストル
Ｎｏ．１７　リバイス・ドラゴン
ＴＧ　ハイパー・ライブラリアン
アームズ・エイド
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
ガチガチガンテツ
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ダイガスタ・フェニクス
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
虚空海竜リヴァイエール
大地の騎士ガイアナイト
氷結界の龍　トリシューラ
氷結界の龍　ブリューナク

サイドデッキ
Ｄ．Ｄ．クロウ×2枚
Ｎ・グラン・モール
サイファー・スカウター
ドッペルゲンガー
フォッシル・ダイナ　パキケファロ
暗闇を吸い込むマジック・ミラー
御前試合
次元幽閉×3枚
冥府の使者ゴーズ
霊滅術師　カイクウ×2枚
連鎖除外（チェーン・ロスト）

環境考察−デブリジャンド(2011年度選考会)

03．デブリジャンド(ジャンクドッペル)
「デブリダンディ」の派生型として根強い人気を誇るこのデッキは、《ジャンク・シンクロン》と《ドッペル・ウォリアー》を搭載しより幅広いコンボを繰り出せるようになった事から「ジャンド(ジャンクドッペルの略称)」という名称が定着して久しいです。
その名に冠するコンボによって生み出される強烈なアドバンテージを武器に物量で畳み掛けるデッキタイプですが、《デブリ・ドラゴン》《リミット・リバース》や各植物ギミックなどメインデッキに採用しているカードはいずれも墓地に依存するものである事から対策がしやすく、夏にかけてその勢いは下火になりつつありました。
しかし、対戦相手の選択肢を大幅に奪う「六武衆」や新しく登場した「暗黒界」に人々の意識が向き始めます。そうしてメタゲームの中心から若干外れた事は、「ジャンド」が再び隆盛するには十分過ぎる契機であると言えました。
選考会環境での変化としては、お膳立てが必要な《貪欲な壺》の枚数を削りよりスピードに特化、「暗黒界」の登場により《エフェクト・ヴェーラー》を削り、一方で《暗黒界の門》や《スキルドレイン》に対して有効な《砂塵の大竜巻》を採用する事で、柔軟にメタゲームに対応し、安定した勝利に貢献する事が出来たようです。

使用者：syeluさん(北海道)

モンスター(23枚)
冥府の使者ゴーズ
ローンファイア・ブロッサム×2枚
ライトロード・マジシャン　ライラ
ライトロード・ハンター　ライコウ×3枚
ドッペル・ウォリアー×2枚
デブリ・ドラゴン×2枚
ダンディライオン
スポーア
ジャンク・シンクロン
グローアップ・バルブ
クリッター
カオス・ソーサラー×3枚
カードガンナー×2枚
エフェクト・ヴェーラー×2枚

魔法(12枚)
貪欲な壺
増援
死者蘇生
光の援軍
月の書
ワン・フォー・ワン
ブラック・ホール
ハリケーン
スケープ・ゴート
サイクロン×2枚
おろかな埋葬

罠(5枚)
砂塵の大竜巻
激流葬
リミット・リバース×2枚
リビングデッドの呼び声

エクストラデッキ
Ａ・Ｏ・Ｊ　カタストル
Ｃ（チェーン）・ドラゴン
ＴＧ　ハイパー・ライブラリアン×2枚
アーカナイト・マジシャン
アームズ・エイド
シューティング・クェーサー・ドラゴン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
フォーミュラ・シンクロン×2枚
ブラック・ローズ・ドラゴン
虚空海竜リヴァイエール
氷結界の龍　トリシューラ
氷結界の龍　ブリューナク

サイドデッキ
Ｄ．Ｄ．クロウ×2枚
ダスト・シュート
パペット・プラント×2枚
砂塵の大竜巻
次元幽閉
聖なるバリア−ミラーフォース−
奈落の落とし穴×2枚
魔導戦士　ブレイカー×2枚
霊滅術師　カイクウ
連鎖除外（チェーン・ロスト）×2枚

環境考察−暗黒界(2011年度選考会)

04．暗黒界
「新しいカードは、強い。」カードゲームにおいて古くから存在するこの言い伝えは、遊戯王でも決して例外ではありません。こと最近では新規参入者を見込んでか、ストラクチャーデッキ(購入すればすぐに遊べる構築済デッキのこと)は強力かつ優秀な内容となる傾向があります。この「暗黒界」も、例に漏れず新カードとしての強さを遺憾なく発揮し、日本代表を獲得するに至りました。
特に《暗黒界の龍神　グラファ》は従来の暗黒界と異なり自らの効果で捨てても相手のカードに干渉する強烈な能力を持ち、各種対策を用意されてもそれらを突破するほど強力な新カードです。また、「暗黒界」というカテゴリーを扱うには「手札を捨てる効果」が必要となるため結局はコンボデッキの域を出ません。しかし、《暗黒界の門》の登場により自らカードを切っていける事から格段に増した安定性を手に入れ事故の問題を解消できた事が、トーナメントに姿を現し始めた勝因でもあると言えます。
他に、《暗黒界の雷》は《ライトロード・ハンター　ライコウ》などを擁するシステムデッキや、罠を多用するデッキには脅威的で、それら二種類のカードを採用している「ジャンド」デッキには有利に戦えます。
《暗黒界の龍神　グラファ》《暗黒界の雷》と二種類のカードや《スキルドレイン》によって、「場にカードを置く事を否定する」このデッキは、今後も警戒すべきアーキタイプと言えます。
　　　　　　　　　　　　

使用者：ちゃーぼーさん（三重県）

モンスター(16枚)
魔轟神レイヴン
死霊騎士デスカリバー・ナイト×3枚
暗黒界の龍神　グラファ×3枚
暗黒界の尖兵　ベージ×2枚
暗黒界の斥候　スカー
暗黒界の術師　スノウ×3枚
暗黒界の狩人　ブラウ
暗黒界の狂王　ブロン
クリッター

魔法(16枚)
手札抹殺
死者蘇生
月の書
強欲で謙虚な壺×3枚
暗黒界の雷×2枚
暗黒界の門×3枚
暗黒界の取引
ブラック・ホール
サイクロン×2枚
おろかな埋葬

罠(8枚)
奈落の落とし穴×2枚
聖なるバリア−ミラーフォース−
神の宣告
神の警告
激流葬
スキルドレイン×2枚

エクストラデッキ
Ａ・Ｏ・Ｊ　カタストル
Ｎｏ．３９　希望皇ホープ
インヴェルズ・ローチ
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
ギガンテック・ファイター
ジェムナイト・パール
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ダークエンド・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
メンタルスフィア・デーモン
大地の騎士ガイアナイト
天刑王　ブラック・ハイランダー
氷結界の龍　トリシューラ
氷結界の龍　ブリューナク

サイドデッキ
Ｄ．Ｄ．クロウ
サイファー・スカウター
トラゴエディア
ライトロード・マジシャン　ライラ×2枚
暗黒界の取引
異次元からの帰還
王宮の弾圧
御前試合×2枚
砂塵の大竜巻×3枚
神の警告
連鎖除外（チェーン・ロスト）

環境考察−TG(2011年度選考会)

05．TG(テックジーナス)
「Technology Genus(科学属)」の名を冠して登場した遊戯界の新鋭が、選考会という大舞台でその科学の力を存分に発揮しました。様々なデッキが跋扈する現環境で見事に勝ち上がるほど、機密裏に研究が進んでいたデッキタイプです。
「TG」の強みは何なのか。
多くのデュエリストにとって馴染み深い「ガジェット」と対比してみましょう。
�@遊戯王のゲームシステム最大の弱点である「戦闘」で負けない事。(戦闘補強)
�Aシンクロも見込める、大量展開。(多様なパターンの確立)
�B「スキルドレイン」など、強力なメタカードを採用できる事。(構築における相互作用)
�C情報があまり知られていない事から、いわゆる「分からん殺し」のように、有利な試合運びが狙える。(情報の秘匿性における優位)
アドバンテージを損失する事のない大量展開からボードコントロールを強要する「ガジェット」と比べ、「TG」は環境へ柔軟に対応していけるデッキである事が理解できます。特に最後については、研究が進んでいなかった時期の「TG」最大の強みであったと言えるかもしれません。どんなデッキを相手にしても無難に戦える事から、今後トーナメントシーンにおいて意識すべき相手となる事でしょう。引き続き、警戒が必要です。

使用者：タイチさん(兵庫県・海外枠)

モンスター(13枚)
神獣王バルバロス×3枚
クリッター
ＴＧ　ワーウルフ×3枚
ＴＧ　ラッシュ・ライノ×3枚
ＴＧ　ストライカー×3枚

魔法(8枚)
死者蘇生
月の書
強欲で謙虚な壺×3枚
ブラック・ホール
サイクロン×2枚

罠(20枚)
奈落の落とし穴×2枚
盗賊の七つ道具×2枚
聖なるバリア−ミラーフォース−
神の宣告
神の警告×2枚
次元幽閉
幻獣の角×2枚
激流葬
王宮の弾圧
ダスト・シュート
スキルドレイン×3枚
ＴＧ１−ＥＭ１×3枚

エクストラデッキ
Ａ・Ｏ・Ｊ　カタストル
Ｎｏ．１７　リバイス・ドラゴン
ＴＧ　ハイパー・ライブラリアン
ＴＧ　ワンダー・マジシャン
インヴェルズ・ローチ
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ジェムナイト・パール
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ナチュル・パルキオン
ブラック・ローズ・ドラゴン
大地の騎士ガイアナイト
氷結界の龍　トリシューラ
氷結界の龍　ブリューナク

サイドデッキ
Ｄ．Ｄ．クロウ×3枚
サイバー・ドラゴン×2枚
サイファー・スカウター×2枚
フォッシル・ダイナ　パキケファロ×2枚
レインボー・ライフ
御前試合×2枚
次元幽閉
魔導戦士　ブレイカー×2枚