その最後を締め括る両者が、栄光の舞台にて対峙する。
【BF】を駆る決闘者、Vincent Paglia(アメリカ)。
対するGalileo De Obaldia(パナマ)の使用するデッキは【カエル1キル】。
一戦目。コイントスで先攻を獲得し、デッキのカードを殆ど全て使い切ったにも関わらず、De ObaldiaはPagliaに下されてしまう。
De Obaldiaが世界チャンプとなるためには、ここから2連勝を納めなければならない。
迎える二戦目。
De Obaldiaはサイドデッキから《クイック・シンクロン》そして《フィッシュボーグ−ガンナー》を加えて挑んだ。
対するPagliaは幸運にもDe Obaldiaの【カエル1キル】のコンボを打ち崩せる《D.D.クロウ》を初手に2枚握っていた。
しかし、ここでDe Obaldiaのサイドボーディングが功を奏す。
《クイック・シンクロン》をプレイし《黄泉ガエル》《魔知ガエル》と共に《ジャンク・デストロイヤー》をシンクロ召喚。その能力でPagliaのBF達を破壊し、二戦目を勝利。
相手の対策を死に札に変える有効な展開であった。
世界王者を決める最終戦。
Pagliaは先手を取るが、モンスターをプレイする事なく第1ターンを終える。
だが彼の手には《D.D.クロウ》があり、De Obaldiaの「カエル1キル」の早期妨害を目論む。
対するDe Obaldiaの手札はモンスター一色で、目も当てられないものであった。しかもそこに《黄泉ガエル》の姿は無い。
さらに最悪な事に、次のターン、Pagliaは《BF−疾風のゲイル》を場に出し、《王宮の弾圧》そして《生贄封じの仮面》を発動。畳みかけるかの如く《ダスト・シュート》によって《クイック・シンクロン》を抜き取り、De Obaldiaの全ての動きを封じる事に成功する。
その試合の様子を見つめる誰しもが、Pagliaの勝利を確信し、De Obaldiaを応援する観客の目からは完全に希望の光が失われていた。
しかし、De Obaldiaは諦めてはいなかった。
引き当てた《大寒波》を使い、Pagliaの《王宮の弾圧》を凍り付かせると、手札のモンスターを駆使して七つの星を集め、神の龍を呼び出す。
《ブラック・ローズ・ドラゴン》
その能力により、難攻不落のPagliaの場を一気に壊滅させる。
劇的。あまりにも劇的で、原作漫画のような大逆転。
返すターン、《大寒波》の効果によって魔法・罠カードを使う事も置く事も許されないPaglia。
絶望する決闘者の前に、De Obaldiaの《光と闇の竜》が召喚される。
そのシャイニングブレスは、王者を決める一撃となった。
Galileo De Obeldia(Panama)wins and becomes the 2010 Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME World Champion!
Congratulations!